プリントした紙を持つ男性

チラシデザインの考え方とは?レイアウトや効果的なデザインの作り方

プリントした紙を持つ男性

広告媒体として古くから存在するチラシは、一度デザインしてしまえば増刷が容易で、かつマンパワーを使えば使うほど大多数に対しての宣伝効果が見込めます。しかし、大多数の人々に配布することができても、見向きもされずに捨てられてしまっては意味がありません。チラシでの宣伝効果をより高め、見込み客を増やすためには、思わず内容を確認したくなるような魅力的なデザインが重要です。

そこで今回は、チラシのデザインの重要性やレイアウトのことについて解説していきます。併せて、チラシデザインを外注した場合の相場についても紹介していくので、チラシを広告で使いたい人はもちろん、実際にデザインに挑戦したい人も、是非ご覧ください。

チラシとは

チラシの束

そもそもチラシとは何なのかについて紹介していきます。チラシは広告媒体として用いられる、1枚刷りの印刷物のことです。その歴史は古く、原型は「引き札」という呼び名で、江戸時代前期に誕生しています。

1683年、徳川綱吉が将軍の時代に開店した越後屋(現在の三越)は、当時掛け売りが一般的だった呉服の売買で、現金による即金払いによる薄利多売方式である「現金安売無掛値(げんきんやすうりかけねなし)」という商法を考案し、商業的な成功を納めました。そんな越後屋が、「現金安売無掛値(げんきんやすうりかけねなし)」という、自身にも消費者にもメリットのある商法を取っていることを世間に広めるために編み出した宣伝方法が「引き札」です。

越後屋の「引き札」はおよそ5万~8万枚程度配布され、その画期的な商法を知った人々が顧客になっていったことにより、越後屋は売り上げをどんどん伸ばしていきました。その後も広告媒体として使われ続けた「引き札」は、大正時代になると新聞に織り込まれるようになり、呼び名をチラシに変え、現代と同じような方式で配布されるようになります。

ビラやフライヤーとの違い

チラシと共に1枚刷りの印刷物を指す名詞として、ビラやフライヤーという言葉があります。実はチラシを含めたこれらの言葉には、意味の違いがほとんどありません。

フライヤーは、元々は戦時中などに飛行機やヘリコプターを使って配布していた印刷物のことを指す言葉でした。現在では名称のみが残り、チラシと同じような意味合いで使われます。

どちらかというと、イベント業界で使われることが多い言葉で、イベント業界人が好むA4までの小さめのサイズで、厚めの紙を使った印刷物に使われることが多いです。

ビラについては様々な語源がありますが、主に演芸の世界で使われることが多い言葉でした。寄席の番組宣伝などは「ビラ文字」と呼ばれ、掲示板に貼られるものだったことから、現在では掲示する目的の印刷物をビラと呼ぶことが多いです。

チラシを利用するメリット

Web媒体での宣伝や動画を活用したマーケティングが当たり前のように行われるようになってきた昨今において、チラシを利用するメリットは何なのでしょうか。

チラシを利用するメリットは、大きく分けて以下の3つです。

  • 低予算で宣伝ができる
  • タイムリーかつ即効性のある宣伝ができる
  • 表現の幅が広い

それぞれ見てきましょう。

低予算で宣伝ができる

宣伝媒体としてチラシを利用する最大のメリットは、1枚当たりの単価の安さです。デザインの相場については後述しますが、印刷に関しては1枚当たり10円を割ることがほとんどになります。例として、某印刷会社にA4サイズ、標準の厚さの光沢紙で注文した場合、以下のような料金で発注が可能です。

部数料金(黒単色)料金(フルカラー)
100部600円600円
500部1,428円1,437円
1,000部1,955円1,964円
5,000部6,264円7,482円
10,000部10,335円12,255円

表より、デザイン性を重視してフルカラーで発注したとしても、100部発注の場合は単価6円、1万部の場合に至っては単価約1.2円と、かなりの低予算で印刷が可能なのが分かります。

実際には印刷代に加えてデザイン代が乗ってくるわけですが、一度デザインしてしまえばいくらでも増刷が可能なので、チラシを生産すればするほど単価を安くすることが可能です。

タイムリーかつ即効性のある宣伝ができる

チラシは他の宣伝媒体と違い、制作期間が短くて済むという特徴があります。よって、直近のイベントの宣伝であっても、タイムリーに行うことが可能です。また、新聞折込であっても人力による配布であっても配布する範囲が限られるため、イベントなどの宣伝であれば比較的会場に来やすい地域の人々に絞って集客を行うことができます。

例えば、地方のホールでコンサートを行うが、本番まで1ヶ月を切ってるというような状況であれば、チラシによる宣伝が効果的です。短期でチラシを制作し、その地方に限った新聞織込で配布することで、イベントの集客に追い込みをかけることができます。低予算であることも手伝って、上記のような宣伝方法が行いやすいのがチラシのメリットです。

表現の幅が広い

電子媒体であるWebや動画と比べ、チラシは物理的な媒体です。実際に手に取って見ることになるチラシは、土台となる紙自体の厚さや質感、形などを工夫することで、視覚だけでなく触覚にも訴えかけることができます。デザインだけでなく、紙の素材や印刷の質感にこだわることで、Webや動画にはできない表現を行うことが可能です。

チラシのデザインが重要な理由

WHY?とタイポされた紙

なぜチラシのデザインをする必要があるのでしょうか。その答えはシンプルで、宣伝する側が伝えたい情報を観た人に分かりやすく、印象的に伝える必要があるためです。

チラシをはじめ、現代は様々な宣伝媒体で溢れかえっています。そんな中でより効果的な宣伝効果を得るためには、まず宣伝媒体が見られるように努力しなければなりません。

例えば家電量販店のチラシでも、単色でただ商品の情報が羅列されているようなデザインよりは、カラフルで目玉商品が何か分かりやすいデザインの方が目に留まりやすいのではないでしょうか。

チラシによる宣伝効果をより上げるためには、見た目のインパクトや何を宣伝しているのかすぐにわかるレイアウトが重要になってくるのです。

チラシのレイアウトを考えよう

グラフィックデザインをする男性

チラシのデザインが重要であることが分かったところで、チラシのレイアウトについて考えてみましょう。チラシのレイアウトを考える際に留意しなければならないのが、人は基本的にチラシを上から下へ(文章が縦書きの場合は右から左へ)読んでいくということです。つまり、一番目につくチラシの上部に、人を惹きつけるようなキャッチフレーズを持ってくることが重要ということになります。

しかし、急にキャッチフレーズを考えるというのは中々難しいでしょう。また、上からデザインを考えていくと、情報が想定外に多い場合などに全体のデザインが崩れてしまいがちです。

そこで有効なのが、チラシの下部分からレイアウトを考えていくことです。下からレイアウトや記載内容を考えていくことで、デザインを安定させつつ、内容との齟齬がないキャッチフレーズが浮かびやすくなります。その上で、チラシデザインの基本的な部分を押さえていくことで、かなり見やすいチラシを作り上げることが可能です。

チラシの基本は「整然さ」

チラシデザインで基本になるのは、情報の「整然さ」です。つまり、複雑なデザインより幾何学的なデザインの方が好まれるということになります。

文章や画像の端を揃える、間隔に法則性を持たせる、情報毎にグループ分けするなど、整理されたデザインを原則としてレイアウトを考えていくことで、見やすく分かりやすいレイアウトにすることが可能です。

効果的なチラシデザインのコツ

虫眼鏡と電球

チラシデザインでは先述した基本的な部分以外にも、様々なコツがあります。今回はその中でも特に効果的な、以下の3つのコツを紹介します。

  • ターゲッティングをしっかり行う
  • 写真を有効活用する
  • 表面でインパクトを出し裏面に詳細を記載する

それぞれ見ていきましょう。

ターゲッティングをしっかり行う

チラシデザインをする前に考えたいのが、顧客のターゲッティングです。年齢・性別・地域など、本当に宣伝したい人を絞り込むことによって、デザインの方向性を決めることができます。

例えば、若い女性がターゲットの商品なのに写真や色味が少なかったり、年配の人に向けて宣伝したいのに文字サイズが小さかったりするのは、ターゲット層とデザインがミスマッチしていえるでしょう。

まずは商品やイベントなどのターゲット層を把握した上で、顧客に合ったデザインを考えていくことが重要です。

写真を有効活用する

どんなに色調やレイアウトでデザインにインパクトを持たせても、1枚の写真には勝てません。写真が持つ情報量の多さは、チラシという限られた空間に大きな恩恵をもたらします。写真1つで何についてのチラシなのか分かりますし、商品の宣伝であればどんなものが売られているか、イベントの宣伝であればどんな人が出演するかが一目瞭然です。

デザイン的にも、色彩豊かな写真は強いインパクトを持ちますし、チラシのデザインにおいて、色調のデザインを決定する際の指標になってくれます。チラシを制作際には、写真を有効に活用しましょう。

表面でインパクトを出し裏面に詳細を記載する

1枚当たりの単価は上がってしまいますが、チラシに記載したい情報が多かったり、とにかく大きなインパクトを観た人に与えたいのであれば、裏面を活用しましょう。

裏面使用することで、単純に載せられる情報が増えるだけでなく、表面を写真とキャッチフレーズを中心にしたデザインにすることで、観た人に大きな印象を与えることができます。また、単純に1枚のチラシに含まれるコンテンツ量が増えることにより、より長く人々の興味を惹きつけることが可能です。

チラシデザイン、制作の料金相場

白背景の電卓とボールペン

ここまでチラシのデザインの基本やコツについてお話ししてきましたが、フォントの選択や微妙な色の調整、色彩のバランス感覚などにおいてその道のプロには敵いません。

また、自分でチラシデザインをしてみたい場合であっても、一度プロとデザインについて話し合い、完成物を実際に見ることで、デザインのポイントが見えてくるでしょう。この項では、チラシデザインをプロに外注した場合の相場についてお話しします。

チラシデザインの金額が上下するポイント

デザイン会社を比較してみると、チラシデザインの相場は40,000円程度です。しかし、この金額はあくまで相場であり、実際は様々なポイントによって金額が上下します。

チラシデザインで金額が上下するポイントは、以下の3つです。

  • チラシのサイズ
  • 情報の提供度
  • デザインの質

それぞれ見ていきましょう。

チラシのサイズ

まずはチラシのサイズです。一般的には、チラシのサイズは小さければ小さいほど料金が安くなります。サイズによって段階的に料金が決まっていることが多く、A5(B5)~A2(B2)まで、5,000円~1万円の範囲で上下することが多いです。

素材の提供度

次にポイントとなるのが情報の提供度です。写真素材やチラシに載せる文言などをあらかじめ用意している場合、デザイン代は割安になります。逆に素材も文言もない状態の場合、デザイン会社側でいちから揃える必要が出てくるため、割高です。素材があるかないかで、デザイン料金は最大5万円変化します。

デザインの質

最後にデザインの質です。当然ですが、テンプレートに沿ったようなデザインであれば金額は安くなりますし、オリジナルで細部にまでこだわったデザインであれば金額は高くなります。デザインの質によって、チラシデザインの金額は段階的に15,000円程度で上がっていくことが多いです。

チラシの印刷金額が上下するポイント

チラシはデザインだけでなく、印刷でもお金がかかります。1枚刷りのチラシであれば、印刷代が上下する要素は以下の通りです。

  • 用紙サイズ
  • 用紙の厚さ
  • 納期

それぞれ見ていきましょう。

用紙サイズ

用紙サイズは基本的に大きくなるほど金額が上がります。ただし、A4サイズに限っては、最も使われることが多いサイズであることから、最も安価になっていることが多いです。用紙サイズの変化によって、1枚あたり2~10円程度の差が生じます。

用紙の厚さ

一般的に印刷業界では、用紙の厚さは斤量で示します。用紙サイズは90㎏が標準とされており、厚くするほど存在感が増しますが、折り曲げが困難になります。用紙の厚さによる金額さは数円~十数円程度で、20円を超えるようなことはほぼありません。

納期

最後に発注から手元に届くまでの納期についてです。チラシの場合、通常納期が7営業の場合が多く短くなればなるほど1枚当たりの金額が上がっていきます。例として、某社の納期による金額差を見てみると、7営業日と4営業日での1枚当たり単価の差は4円程度です。なるべく安価に済ませたいのであれば、制作スケジュールに余裕を持って、最長納期で発注するようにしましょう。

まとめ

印刷機から出てきた紙を受け取る人の手元

チラシデザインの重要性やコツについてお話ししてきました。チラシデザインにおいて重要なのは、幾何学的で何についての広告なのかすぐにわかることです。その上で、写真や色調などでインパクトを出し、人の目に触れやすいデザインにすることが重要です。

自分でデザインしてみるのも良いですが、最初はプロに外注して、デザインのコツを把握するのも良いでしょう。Webやスマートフォン、動画など、情報伝達の媒体は劇的に増えていますが、それでもチラシはまだまだ有効な広告媒体です。必要に応じて、宣伝手段の1つとして活用していきましょう。

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