抽象的なIoTのイメージ

IoTとは?事例からマーケティングへの活かし方まで説明します

抽象的なIoTのイメージ

近年、マーケティングの業界でもIoTが話題になるようになってきました。IoTは「モノ」をインターネットに接続する仕組みのことで、活用すればより消費者のニーズに合ったマーケティングを行うことが可能です。当記事ではIoTの概要から、マーケティングへ活用する上でポイント、IoTを活用したマーケティングの成功事例などについて紹介します。

そもそもIoTとは

スマートフォンでIoTにアクセスする様子

IoTは「Internet of Thing」の略です。「モノのインターネット」という意味の通り、様々な「モノ」をインターネットに接続する仕組みのことを指します。「モノ」にインターネットへの接続機器を内蔵することで、ネットを通じた「モノ」の操作や、「モノ」が持つデータの管理などを行うことが可能です。元来、インターネットはコンピュータ同士を接続する技術だったのですが、スマートフォンの登場を皮切りに、様々なものがインターネットに接続できるようになりました。

IoTは現在では主に家電製品に積極的に導入されており、遠隔で接続することができるイヤホンやスピーカー、家の外でも操作できるエアコン、在庫や賞味期限の管理をしてくれる冷蔵庫などが販売されています。音声認識で家電操作が可能な「Amazon Alexa」なども、IoTを操作する上で便利な製品です。

IoTの導入によってできること

IoTの導入によってできることは主に以下の3つになります。

  • 「モノ」の操作
  • 「モノ」の状態確認
  • 「モノ」同士の対話

詳しく見ていきましょう。

「モノ」の操作

まず1つ目は「モノ」の操作です。「モノ」にIoTを取り入れることによって、インターネットを介して「モノ」を遠隔操作することができます。現在存在する身近な例としては、先述したBluetoothで遠隔操作することができるイヤホンやスピーカーなどが挙げられるでしょう。

「モノ」を遠隔操作できるようにすることが目的のIoTの導入は、消費者から見てもメリットを感じ取りやすいため、上記のような音楽機器や家電製品などに取り入れられていることが多いです。

「モノ」の状態確認

次に「モノ」の状態確認になります。「モノ」の状態や使用状況などをデータとして目視できるようにすることで、遠方でもリアルタイムに状況を把握することが可能です。上記のようなデータの確認機能は、身近な「モノ」では冷蔵庫などに導入されており、食材の在庫状況や賞味期限などを管理する機能として活用されています。

しかし、「モノ」の状態確認に関するIoTの活用は、どちらかというとインフラや企業サービスなどで活躍する可能性が高いです。ドアの開閉状態や電気の使用状況といったデータの介護・救急への活用や、リアルタイムで交通状況を確認することによる渋滞のない交通システムの確立など、IoTの導入によるデータ活用が、社会をより便利にすることが期待されています。

「モノ」同士の対話

最後に「モノ」同士の対話機能になります。IoTを取り入れた「モノ」同士がデータを共有することで、多数の「モノ」が連携して動作するシステムの実現が可能です。身近な例では、使用電力が多すぎる時に各家電製品の設定を変更して、家全体の電力消費を抑える機能などが開発されています。上記の状態確認の機能と同じく、対話機能も身近な「モノ」よりはインフラや企業サービスで活用されることが多いでしょう。

例えばインフラでは、給電所が各家庭や事業所などの電力使用量をデータとして収集し、リアルタイムで地域全体の電力使用量を把握することで、必要な分の電力を供給するシステムの構築などが可能になります。IoTを導入することによって、身近なモノが便利になるだけでなく、社会全体のシステムがより効率的に循環する可能性があるのです。

IoTをマーケティングに取り入れることは可能か

空中に浮かぶ複数のグラフにアクセスするビジネスマン

身近な製品やインフラなどで活躍が予測されているIoTですが、マーケティングにおいても活用することができるのでしょうか。結論から言うと、IoTは今後のマーケティングにおいて活用することが必須となるものであるといえるでしょう。

マーケティングにおいて最も重要になるIoTの機能は「モノ」の状態を確認する機能、つまりデータ収集の機能です。IoTから得られる各種データを収集すれば、今まで以上に正確に消費者の行動を分析することができ、より効率的にニーズや改善すべき要素を捉えることができます。

また、個人個人のデータを細分化することで、よりパーソナライズされた情報を消費者に共有することができるようになり、結果的にコンバージョン率を上げることが可能です。IoTの導入より、今後はより消費者心理に寄り添った、確実性の高いマーケティングが実現できるでしょう。

IoTをマーケティングに取り入れる際のポイント

テクノロジーのイメージ画面上にあるボタンを手で押す様子

IoTをマーケティングに取り入れるポイントは以下の通りです。

  • 情報はピンポイントに共有する
  • 顧客にもメリットがあるように活用する
  • データの鮮度を重要視する
  • 必要以上に連携させない
  • 関連性のある情報をまとめる

詳しく見ていきましょう。

情報はピンポイントに共有する

IoTを活用する際に重要になってくるのが、消費者に与える情報をピンポイントにすることです。従来のマーケティングでは、得た情報を基に消費者がコンバージョンに至る確立を上げるような施策を行うことが主流でした。

対して、IoTを取り入れたマーケティングでは、データから各々の消費者が欲している情報を確実に把握することができるので、消費者それぞれが欲している情報をピンポイントで共有することが可能です。

逆に言えば、消費者個人個人に共有する情報がパーソナライズされていないと、IoTを導入した意味が無くなってしまいます。IoTをマーケティングに活用するのであれば、個々に合わせた情報をピンポイントに共有することが重要です。

顧客にもメリットがあるように活用する

IoTを活用したマーケティングは、基本的に顧客もよりメリットを感じやすくなることが多いです。IoTのデータから導き出された消費者それぞれのニーズに合わせ、ピンポイントに情報共有するということは、消費者側もそれぞれに合わせた練度の高い情報を得ることができるということです。つまり、IoTをマーケティングに導入することで、顧客第一なビジネスモデルを作り上げることができるということになります。

もし、IoTを導入したにも関わらず、顧客に与えるメリットが少ない場合、IoTがもたらすデータを十分に活用できていない可能性が高いです。IoTを導入するのであれば、今まで以上に顧客の満足度が高くなっているかを注視するようにしましょう。

データの鮮度を重要視する

IoTは、基本的に「今ある状況=リアルタイム」のデータを得られるのが特徴です。そのため、得られた情報の鮮度をより重要視することも大切です。

人間の心理は数日程度で簡単に変わってしまうため、IoTで得られたデータを効率良く活用したいのであれば、得られたデータから導き出せる施策を即時に実行することが重要です。

IoTのデータが持つリアルタイムであるというメリットを最大限生かすためにも、データの反映はなるべく素早く行えるようにしましょう。

必要以上に連携させない

IoTを導入すれば、「モノ」を連携して操作することも可能になり、結果的に作業効率の向上や、データを活用したより発展的なビジネスモデルを生み出すことも夢ではありません。しかし、なんでも繋げれば良いというわけではないので注意が必要です。IoTを導入した「モノ」同士は、原則にインターネットを介して情報共有を行います。つまり、ネット上でのセキュリティ管理が重要になってくるのです。

IoTを導入した「モノ」をむやみに連携させてしまうと、セキュリティ管理が大変になるだけではなく、もし、ハッキングなどを受けてしまった場合、必要以上に情報が漏洩してしまう可能性があります。上記のようなリスクを抑えるためにも、IoTで連携する「モノ」は最小限に抑えるのが良いでしょう。

関連性のある情報をまとめる

関連性のある情報は分かりやすくまとめることも、IoTを活用する上では重要です。IoTを導入すると、リアルタイムのデータが凄まじいスピードで蓄積されていきます。よって、データの整理を怠ってしまうと、データを保存しているストレージが煩雑になってしまう可能性が高いです。また、次々に溜まっていくデータから、どのようなものを抽出して活用するのかを事前に決めておくことも重要になります。活用されるデータの選定基準が出来ていれば、データの取捨選択が容易になるので、より情報の整理をスムーズに行うことが可能です。IoTを導入する際には、使用するデータの選考基準や不必要な情報の処理方法などをあらかじめ考えて実装しておくと良いでしょう。

IoTをマーケティングに取り入れたビジネスの事例

黄色い付箋を指差す女性の手

IoTをマーケティングに取り入れる上でのポイントが分かったところで、実際にIoTを活用しているビジネスの事例を紹介していきます。

今回紹介する事例は以下の通りです。

  • ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの「MagicBand」
  • スペイン・バルセロナ市の「スマートパーキング」

詳しく見ていきましょう。

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート「MagicBand」

1つ目はアメリカ・フロリダに存在するウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが導入した「MagicBand」です。「MagicBand」はRFIDタグがついたゴム製リストバンドで、事前に受け取って登録をしておけば、パーク内のアトラクションや店舗での買い物などの支払いをバンドで行うことができます。 「MagicBand」によって、パーク内限定のキャッシュレス化が可能になり、各アトラクションや店舗における回転率の向上させることによる収益増加を見込むことが可能です。また、「MagicBand」を装着している顧客の園内での行動データをリアルタイムで収集でき、マーケティングに役立っています。 加えて、「MagicBand」に登録された個人情報を基にバースデーサプライズなども実施しているので、顧客満足度の向上にも一役買っているといえるでしょう。企業側、顧客側ともにメリットがある、IoT導入の好例といえます。

スペイン・バルセロナ市「スマートパーキング」

スペインのバルセロナ市では、Microsoft社と連携して駐車場にIoTを導入しています。駐車場にセンサーを設置することにより、市内全域の駐車場の空き具合に関するデータを収集し、スマートフォンなどを介して情報共有するというビジネスモデルです。情報共有により、市民や観光客は空いている駐車場を探すという手間を省くことができます。対して、提供側であるバルセロナ市は、駐車場における無駄な空きなどを減らすことができ、駐車料金による利益の増加を見込むことが可能です。バルセロナ市では駐車料金をスマートフォンで支払うことができるシステムも導入しているため、特に観光客が手軽に車を利用できるようになり、長期滞在することが増えたため、結果的に観光収入が増加しました。大規模なIoT導入の好例といえるでしょう。

IoTマーケティングの今後の課題

未来的な道路のイメージ

IoTマーケティングの今後の課題として挙げられるのが、先述したセキュリティ面の管理と、データの活用フローの構築でしょう。IoTを導入するということは、今まで独立していた製品や各システムなどがネット上で連携されるということです。つまり、ネット上からシステム全体へ介入が可能になるということになります。もし、ネット上のセキュリティが脆弱だった場合、システム全体が脅威に晒されてしまい、収集した情報が一気に漏洩してしまうこともあり得るのです。IoTを導入するのであれば、セキュリティの管理を徹底し、防衛範囲が広がるシステムから情報が漏洩しないようにする必要があります。

また、IoTを導入した場合、いままで以上に大量のデータと対面することになる上、個々の情報の重要性も増します。溢れかえる情報を有効に活用するためにも、IoTを導入する前にデータを活用する目的や選定基準、管理フローを充分に思案しておくことが重要です。

まとめ

スマートフォン上に浮かぶAR風のIoTイメージ

IoTを活用したマーケティングについてお話ししてきました。IoTをマーケティングに導入すると、消費者それぞれの細かいデータを収集できるようになり、より正確なマーケティングを行うことが可能です。IoTを導入するとリアルタイムのデータが大量に手に入るので、データの鮮度を大切にし、消費者ごとにパーソナライズされた情報をピンポイントに共有することが重要になってきます。

また、IoTを導入したマーケティングを行うと、サービス提供側だけでなく顧客側も自然とメリットを得られることが多くあります。IoTを活用する時は、自身のメリットだけでなく顧客側のメリットもより意識してみると、良い気づきが得られるかもしれません。

今後はIoTを導入した確実性の高いマーケティングが主流になることが見込まれます。今のうちにセキュリティ面や管理フローの構築など、できうる準備を行い、効率的にIoTを活用できるようにしておきましょう。

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