ABテスト

ABテストに最適なGoogleオプティマイズの使い方まとめ 

ABテスト

ABテストはインターネットならではの調査手法です。視聴者を2つのグループに分け片方にAパターン、もう一方にBパターンのWeb画面を見せ、効果の高いパターンを選び出します。

米国の大統領選挙でオバマ大統領が、ABテストを活用して結果的には40%以上効率の良い資金調達パターンを見つけ出して、少ない資金で選挙資金を集めたことがよく知られています。Twitterを活用するオバマ大統領ならではの話です。

今回は、数あるABテストツールの中でも特に、Googleが提供する「Googleオプティマイズ」に焦点を当てて説明します。

インターネットのABテスト

インターネット上のABテスト

インターネットのABテストの場合、ランダムにAとBのパターンを見せることができるので、母集団としては基本的に同一の集団としてみなすことができます。

また、リアルの世界で広告メディアを2パターン作るのは、印刷代などの費用が発生しますが、インターネットのABテストでは2つの原稿を用意するだけで良いので、リアルの世界のテストマーケティングとはコスト面で大きな差があります。

それぞれのパターンは、見ている人にとっては別のパターンがあるとは知られません。まさに、インターネットならではの正確な比較調査ができるのです。

Googleオプティマイズとは

Googleオプティマイズ初期画面

ABテストを効率的に実施するためのツールが、Googleの提供するGoogleオプティマイズです。有料のGoogleオプティマイズ365の無償バージョンです。

なぜGoogleはこのようなツールを無料で提供しているのでしょうか。

Googleの基本ポリシーは、ユーザーにとって有用な情報が提供されることが長期的なGoogleの利益につながるとの考え方をもっており、GoogleアナリティクスやGoogleオプティマイズなどの無料ツールの提供は、それを支援するものと考えられます。

Googleオプティマイズのヘルプページの冒頭に、「ユーザーの個性は個々に異なるので、ユーザーの好みに合わせて、個別に対応することが望ましいオプティマイズを利用して、各ユーザーグループに最適なユーザーエクスペリアンスを提供することができる」と記述されています。

参考:https://support.google.com/optimize/answer/6197440?hl=ja

Googleオプティマイズのメリット

AかBかで迷う男性

Googleオプティマイズのメリットとは何でしょうか?

無料で利用できる

Googleオプティマイズの最大のメリットは無料で利用できることです。Googleアナリティクスを基本にしていますので、既存のサイト内の改善できる場所を見つけて、簡単に作り直すことができます。

誰でも簡単に使える

Googleオプティマイズのもう1つのメリットは、デザイナーやプログラマーなどの特殊な技能や知識がなくても手軽にABテストが実施できることです。

通常、Webページの改変には、デザイナーやプログラマーの力が必要ですが、GoogleオプティマイズのABテストツールにはビジュアルエディターが用意されているので、画面上でテキストの編集やHTMLの編集、挿入、移動、削除などを行うことができます。

テストするパターンを元の画面を使い画像編集する場合には、GoogleオプティマイズのChrome拡張機能をインストールしたGoogle Chromeを使います。拡張機能をインストールすることによって、ABテストのパターンを作成する場合、ビジュアルEditorが動作するので、技術者以外の方でもWebページの一部を修正して、テストのための新しいパターンを制作することができます。

この機能により、わざわざデザイン会社などに発注し直すことなくページの修正を行い、ABテストを実施することができます。短期間のキャンペーンやイベントなどにも対応することができ、PDCAを素早く回すことにより、短時間でロスを最小限に抑えることができます。

通常の調査では、調査結果が出るまで、次のステップに移れませんがGoogleオプティマイズでは、テスト中でも中間結果を把握し、次のステップに移ることができます。

様々なツールと連携できる

さらにGoogleオプティマイズの良いところは、タグマネージャー、アナリティクス、スプレッドシート、データポータルなど、Googleの他のツールと連携できる点です。

Googleオプティマイズの使い方

それではどのようにGoogleオプティマイズを使ったら良いのでしょうか?ステップを追って整理します。

1. Googleアカウントの開設とGoogleアナリティクスの確認

Googleアカウントの開設

Googleオプティマイズの利用には、まずGoogleアカウントが最低限必要になります。
オプティマイズのコンテナとGoogleアナリティクスのプロパティを連携させる事で、アナリティクスからもテストデータにアクセスできるようになります。そのため、両方で同じGoogleアカウントを利用することが推奨されています。
またその場合、Googleアナリティクスのユーザー権限が編集権限以上に設定されていることを確認してください。

基本的には1つのコンテナと1つのプロパティを連携させます。様々なタグを一連で管理できるGoogle Tag Managerと連携させることもできます。

2. テスト名、テストページのURLを設定

テスト名、テストページのURLを設定

アカウントが準備できたら、テスト名と、テストするページのURLを設定します。通常のABテストは指定したURLの一か所を変更して、その優劣評価を実施します。

3. テストの設定

テストの設定

テストの設定をします。実際のテストを始める前に、それぞれの画面がどう見えるかをプレビューすることができます。この時、プレビュー共有先のGoogle ChromeにGoogleオプティマイズの拡張機能がインストールされていれば、共有先でもプレビューが可能になります。またタブレット画面などのプレビューも可能です。

ビジュアルエディターではビジュアル要素の変更だけでなく、リンク先の変更や要素の並び替え、HTMLの編集、JavaScriptの実行や、PC向けページ、スマートフォン向けページの編集ができます。

2か所以上の要素を変化させテストをする場合は、「多変量テスト」を使います。また、ページ全体が大きく異なる場合は、URLを指定して「リダイレクトテスト」を選択します。

4. テストの目標を設定

テストの目標を設定

テストの設定が終了したら、テストの目標を設定します。目標とは、ABテストを利用して上昇させたい項目のことで、Googleアナリティクスで確認したページビューやセッション継続時間、トランザクション数といったシステム目標や、特定のページのページビュー数など、カスタム目標の設定も可能です。

リーダー(勝者)を決定する役割は主目標が担います。主目標でデシジョンできない場合は、サブの目標を検討して、意思決定します。最適である確率が80%であれば概ねリーダーと認定できます。

例えば、資料請求を通じて、顧客の関心を高めるのであれば、資料請求のボタンのクリック数を増やすことが目標になります。目標は全部で3項目設定することができます。テスト対象に関しては、対象者が平等になるように、50%ずつに設定します。なお、テストはモバイルなどのデバイス別に行うことや特定のURLに限定、特定の広告から来た場合などのターゲットをセグメントして実施できます。

5. テストの期間を設定

テストの期間を設定

テスト期間の設定や、延長なども適時行うことができます。テスト期間は曜日変動などを考慮して、1週間以上が推奨されています。

Googleオプティマイズのレポートの見方

PC画面にレポートが表示されている

Googleオプティマイズのレポートは、「サマリーカード」「改善率の概要」「目標の詳細」の3種類のレポートが用意されています。

  • サマリーカード

ではWebテストの期間、Webテストセッション数、オリジナルパターンからの改善数やどの程度最善に近いのかといった評価がレポートされます。

  • 改善率の概要

オリジナルパターンに対してテスト用パターンが目標の指標に対してどの程度改善したかを示します。

  • 目標の詳細

「コンバージョン率の推移」ではオリジナルとテストパターンにおけるコンバージョン率の差を示します。

「最適である確率」は表示されるテストパターンのパフォーマンスが他の全てのパターンより高くなる確率になります。

「ベースラインを上回る確率」とは選択したコンバージョン率が、オリジナルのコンバージョン率を上回る確率で、テストパターンがオリジナルパターンともう1つしかない場合には、ベースラインを上回る確率の初期値は50%になります。

「コンバージョン率」はコンバージョンページへの訪問数をオリジナルページへの訪問数で割ったものです。レポートでは統計学的な用語が使われています。基本はオリジナルのパターンと新しいテストパターンに差がないという帰無仮説を設定し、それに対し95%の確率で有意差があると判断できるかできないかを明らかにしています。95%の確率で有意差ありとすれば、明らかに差があると考えて良いでしょう。

テストの実施に関してはターゲットの設定も可能です。具体的にはURLの指定やWebサイトに初めて訪れたユーザーを対象にすることもできます。

また、ブラウザーや、OS、デバイスカテゴリー、モバイル端末を指定することもできます。また、ファーストパーティーのCookieやJavaScript変数の値などによってもターゲティングすることができます。このようなアナリティクスのセグメント機能を使えば、色々な切り口でデータを見ることができるので、細かな分析ができます。

結果についてはGoogleアナリティクスの管理画面でも見ることができますが、若干Googleオプティマイズとの違いがあります。

具体的にはコンバージョン率に関してはGoogleアナリティクスが実数に基づいてコンバージョン率を計算しているのに対し、Googleオプティマイズの場合はモデル化されたコンバージョン率が表示されます。GoogleアナリティクスはGoogleオプティマイズより処理スピードが速いので、Googleオプティマイズとは数値が異なります。

同様にセッション数でも違いがあります。Google アナリティクスはGoogle オプティマイズとは少し異なる指標を見ることができます。例えば、一訪問あたりのページビュー数や平均セッション時間、新規セッション率、直帰率などの指標を確認することができます。

Googleオプティマイズを使いこなすコツ

ABテストのポイント

サイト運営がなぜかうまくいかない時、よくあるのはサイト全体を見直して作りかえようという全面改訂の動きです。

しかし、うまくいかない原因を明らかにせず、全面的な見直しに進むのは良い手とは言えません。まず仮説を構築し、検証していくことが大切です。

仮説を構築する上で参考になるのが、消費者行動モデルです。よく知られているのがAIDMAモデルです。

AIDMAは消費者の心理行動を整理したもので、Attention、Interest、Desire、Memory、Actionの頭文字をつながたもので、Webでもそれぞれのユーザーの心理行動に、どうアプローチできているか、そして、どう結果につながっているかを確認することが重要です。例えば、サイトのファーストビューはユーザーのAttentionにどの程度影響を与えられるかが重要です。具体的にはサイトのトップページの写真は大きな役割をもっています。現状の写真より効果的な写真があれば、写真を変えてABテストを実施します。結果を検証してユーザーが求めているニーズを整理して次の施策に活かします。

Googleオプティマイズが目指すのは、データに基づいた科学的なWeb運営とマーケティングの実行です。

ABテストをビジュアル中心の修正システムと考える方もいますが、Googleオプティマイズは、ABテストによって、より効果的な施策を選定し、少しずつ改善を進めていくのがポイントです。

その際、大切なことは仮説の設定とその検証をくりかえすことで、改善のPDCAを回すとともに、市場のメカニズムやノウハウを取得し、次の施策へ活かします。Googleオプティマイズはベイズ推定という統計手法を利用して最適モデルを構築していきます。データが集まれば集まるほど予測も正確になります。モデルは「階層モデル」、「コンテキストモデル」、「持続的変化モデル」などが使用できます。

おわりに

Webサイトを成功させるためにはWebサイトの目標を明確にすることと、それを達成していくための具体的な指標であるKPIの設定が必要です。KPIをGoogleオプティマイズの目標として設定しPDCAをしっかり回していくことによって、サイトの向上を目指します。

ABテストは、準備から結果が出るまでに数週間から、数ヶ月かかることもあります。実際に関わっている担当者以外は全体像が見えないことも多いので、テストの概要をできるだけビジュアル資料を含めてまとめておくことも大切です。

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