リンク切れとは?その原因やSEOへの影響、チェックツールを紹介
Webサイトを運営していると避けて通れないのが、コンテンツ内のリンク切れです。
リンク切れを起こすとWebサイトに様々な悪影響を及ぼし、Webサイトを運営していれば必ず起こる問題と認識する必要があります。
そのため、Webサイト運営にあたってはリンク切れの確認や修復が必須となります。この記事では、リンク切れの基礎的な知識や原因、起きたときの対処方法まで解説していきます。
リンク切れとは
リンク切れとは、Webサイトのコンテンツ内に設置したリンクが、有効に機能しなくなっている状態のことを指します。
リンク切れを起こすと、コンテンツを閲覧しているユーザーがクリックやタップをしても、そのリンク先で指定されたコンテンツを閲覧できなくなります。
そして、その代わりに多くのWebサイトで、リンク切れ時には下記の英文が表示されます。
「Not Found The requested URL/error was not found on this server.」
※Webサイトによっては、オリジナルな表示設定がされているケースもあります。
また、リンク切れによりコンテンツ内にあるべき画像が表示されないということも起こります。コンテンツ内に表示する画像というのは、リンクで「ここに画像を表示する」と命令を出していても有効に機能しない状態になります。
このようにコンテンツが不完全な状態になってしまう問題と認識してください。
リンク切れの原因
コンテンツ内のリンク切れと、画像が表示されないリンク切れで原因が異なります。
コンテンツ内のリンク切れの原因
- リンク先のコンテンツが削除されている
- リンク先のコンテンツURLが変更されている
- リンク先のWebサイト全体が削除されている
- リンク設置時に指定したURLが間違っている
外部リンク先のコンテンツが削除されている場合や、Webサイト自体が削除されているのは自社で関与できない部分になります。
しかし、リンク設置時に指定したURLが間違っているのは単純ミスであることが多く、自社で対応できるリンク切れ原因になります。
このようにコンテンツ内のリンク切れは、外部的なものと内部的なものの2つに分けることができ、外部的な原因は自社でコントロールすることはできないのですが、後述するとおり対処方法はあります。内部的な原因は、自社でコントロール可能なことなので対処は簡単です。
画像のリンク切れ原因
コンテンツ内で表示する画像がリンク切れになり、表示されない原因は、次の2つです。
- サーバーにアップロードした画像を削除した
- 画像設置のために指定したURLが間違っている
コンテンツに表示されている画像は、ブラウザ上では画像として視認できますが、ソース(HTML)を確認するとリンクであることがわかります。『画像』というデータをリンクで指定して、コンテンツを閲覧しているユーザーが画像を視認できるようにしています。
画像はWebサイトのテキストコンテンツなどと同じく、サーバーにデータが格納されています。そのため、リンクで画像を表示するように指定しているのにも関わらず、サーバー内に画像のデータがない場合はリンク切れという状態になります。
基本的には、最初からサーバー内に画像のデータがないという場合はレアケースで、操作ミスなどでサーバー内の画像データを削除してしまったということが原因となることが多いです。
また、リンクで画像を表示するように指定していても、URLが間違っている場合もリンク切れとなります。これも操作ミスが原因となることが多くみられます。
リンク切れによる影響とは
リンクが正常に機能していない状態になるため、Webサイトには様々な影響が出てきます。
ユーザーにとって不完全なコンテンツになり評価が下がる
Webサイトのコンテンツは、そこに掲載されている『テキスト + 画像(動画) + リンク』が一体となり提供され、評価されます。そのため、リンク切れを起こしているとコンテンツが完全なものとして提供されていないことを意味します。
テキストで説明を行った後に、参考情報として他Webサイトのコンテンツを参照してもらうためにリンクを設置しているとします。そのときに、ユーザーがそのリンクを辿ろうとしても、エラーページが表示されるだけとなると、ユーザーは不完全なコンテンツと判断します。
同様にテキストでの説明を補足するための画像が表示されないときも、ユーザーはテキストでの説明を補完する画像を視認できないことになり、やはり満足度は下がります。
リンクとして設置してあるものをクリックすれば、リンク先に移動できるのが当然とユーザーは考えています。そのため、リンク切れが起きて移動できない時点で、コンテンツに対する満足度だけではなく、信頼度も下がります。
SEOへ悪影響を及ぼすこともある
検索エンジンであるGoogleはユーザーにとって、有益であると思われるコンテンツを表示させようとしています。
コンテンツは前述のとおり『テキスト + 画像(動画) + リンク』が一体となり提供されるものにも関わらず、これが欠けた状態のコンテンツの評価は下がることがあります。
リンク切れがあると、前述のとおりユーザーの満足度や信頼度は下がります。GoogleはAIによりユーザーの満足度や信頼度を検索結果に反映できるように日々進化させています。そのため、リンク切れによるユーザーからの満足度や信頼度の低下というのは、Googleからの評価低下にも繋がると考えたほうが良いでしょう。
ただし、リンク切れがあるかどうかは数ある評価基準の1つです。Googleは他コンテンツとの相対評価で順位を決めるため、リンク切れがあると必ず検索順位の下落を招くというわけではありません。
しかし、Googleからの評価以前にユーザーからの評価を落とす要因には確実になります。そのため、リンク切れは可能な限り避けるようにするべきです。ユーザーからの満足度や信頼度が高まれば、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアで拡散される可能性も高まるため、Googleからの検索流入以外のユーザー獲得にも繋がります。
リンク切れがチェックできるツール
リンク切れは、ここまで説明してきたとおりWebサイトに様々な悪影響を及ぼします。
しかし、一つ一つのリンクを手作業で確認するのは困難ですし、Webサイトのコンテンツが増えると手作業での確認は事実上不可能になります。
そのため、チェックはツールの使用をおすすめします。ここでは無料で使えるリンク切れチェックツールを紹介しますので、参考にしてください。
1.Broken Link Checker
WordPressで運営するWebサイトの場合は、このBroken Link Checkerを利用するだけでリンク切れを簡単に把握することが可能です。
Broken Link Checkerは、WordPressのプラグインとして利用できるツールとなるため、導入も簡単です。
プラグインとして新規追加をしておけば、特に設定などは必要なくリンク切れのチェックを行ってくれ、リンク切れを発見するとメールで知らせてくれます。
また、リンク切れ時に行うURLの修正も簡単に行いやすい機能となっています。このように、リンク切れへの対処をしやすいという面からもおすすめできます。
2.Dead-link-checker.com
WordPressのWebサイトに限らず、ブラウザ上のツールとして簡単に利用できるのが、Dead-link-checker.comです。
使い方はとても簡単で、『リンク切れチェックを実行する』の部分に、リンク切れをチェックしたいWebサイトのURLを入力して、『チェック』ボタンをクリックするだけです。これだけで、Webサイト内にリンク切れがないかを、まとめてチェックができます。
Webサイトの規模が大きいと処理完了まで時間がかかるのが難点ですが、クリック一つでチェックできるのは嬉しいメリットです。WordPress以外でサイトを運営している場合は、手軽さという点からDead-link-checker.comをおすすめします。
3.W3Cリンクチェッカー
Web技術の標準化を進めるにために設立された非営利団体W3Cが提供するリンクチェックツールです。
こちらもブラウザ上で手軽にリンク切れのチェックを行うことが可能です。Dead-link-checker.comと比較して、使いやすいほうを利用すると良いでしょう。
リンク切れの対処方法
リンク切れが発生していた場合に、どのように対処するのかは状況により様々です。事例ごとの対処方法を説明していきます。
1.コンテンツ削除によりリンク切れを起こした場合
リンク切れの原因が、リンク先のコンテンツ削除の場合に取れる手段は次の2つです。
- 類似するコンテンツを探し、リンク先コンテンツを変える
- リンクを削除し、コンテンツ内容を見直す
一番簡単な対処方法は、これまでリンク先で確認することができたコンテンツと類似するコンテンツに、置き換えることです。リンクが果たす役割は、コンテンツの情報を補完する場合や、その根拠を提示するためです。リンク切れを起こしたコンテンツにこだわる理由がないのであれば、類似するコンテンツに置き換えるのが無難です。
対応に困るのが、リンク先として指定していたコンテンツでなければリンク設置する意味がない場合です。このような場合は、類似コンテンツを探してリンクを置き換えることはできません。
そのため、類似コンテンツへのリンク置き換えができない場合はリンクを削除します。リンクの削除により、コンテンツが不十分になるときはテキストで補足するなどして、コンテンツの評価が下がらないような工夫が必要となります。
2. URLが変更されリンク切れを起こした場合
リンク先のコンテンツのURLが変更されて、リンク切れを起こしている場合もあります。このようなときは、リンク先となっていたコンテンツがどこに移動したのかを、先方のWebサイト内で探す必要があります。
Webサイト内でコンテンツ検索ボックスが用意されていれば、Webサイト内のコンテンツを容易に検索できるため、簡単に探すことができます。コンテンツ検索ボックスがない場合は、検索エンジンを利用して『Webサイト名 + コンテンツ内容』で検索をすれば把握できることが多いでしょう。
コンテンツの移動先URLがわかれば、リンク切れを起こしたURLを変更すれば対処は完了します。
なお、この際にリンク先のコンテンツ内容が変わっていないかも合わせて確認してください。URLの変更に伴って、コンテンツ内容が変わっている場合はリンク設置の可否も検討し直す必要が出てきます。
3. URLが間違っていてリンク切れを起こした場合
リンクを設置したときに、指定したURLが間違っていた場合の対処方法は、指定するURLを修正するだけでリンク切れはなくなります。
リンク設置時に指定したURL間違いを繰り返さないための、対処方法についても確認しておきます。
リンク設置時に指定したURLが間違っているケースの大半が、URLを手打ちしている場合です。手打ちでは人為的なミスが発生してしまいます。そのため、URL間違いによるリンク切れを防ぐためには、リンク先コンテンツのURLをコピーして、そのままリンク設置時にペーストすることが有効です。
しかし、リンク先コンテンツのURLをコピーで取得しても、ペースト時に誤って別文字などを入力してしまう場合もあります。そのため、リンク先コンテンツのURLをコピー・ペーストしてリンク設置した場合も、コンテンツ公開時に実際にリンクをクリックして、有効になっているのか確認するようにしてください。
4.サーバーの画像が削除されてリンク切れを起こした場合
コンテンツ内の画像は、サーバーにアップロードしたデータをURLで指定してリンクする形で表示しています。そのため、サーバーにアップロードした画像を削除するとリンク切れとなり画像は表示されません。
このような場合は、画像をサーバーにアップロードし直す必要があります。アップロードし直した画像データのURLが異なっている場合は、リンクで指定するURLも修正する必要があります。
以前アップロードしていた画像が不明又は削除済みの場合は、コンテンツ内容に合った画像を再度用意してアップロードし直し、リンクURLも修正してください。
おわりに
今回は、リンク切れがどのような意味なのかという基礎的なことから、リンク切れが起きたときの対処方法まで解説してきました。
リンク切れは、リンクが設置されているWebサイト内のコンテンツに悪影響を与えるものですが、リンク切れを確実に防ぐ方法というのは存在しません。なぜなら、自社だけではなく、他者が運営するWebサイトをコントロールすることはできないからです。
以上から、リンク切れは当然に起こるということを前提として、リンク切れが起きたときにどのように対処するのかを明確にした上で、Webサイト運営に取り組むようにすると良いでしょう。